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永井 隆さんの詩 ――「いとし子よ」

  いとし子よ 永井 隆( 1949 年 10 月)       「いとし子よ。    あの日、イクリの実を皿に盛って、母の姿を待ちわびていた誠一 ( まこと ) よ、カヤノ(茅乃)よ。 お母さんはロザリオの鎖ひとつをこの世に留めて、 ついにこの世から姿を消してしまった。 そなたたちの寄りすがりたい母を奪い去ったものは何であるか?― ―原子爆弾。・・・いいえ。それは原子の塊である。 そなたの母を殺すために原子が浦上へやって来たわけではない。 そなたたちの母を、あの優しかった母を殺したのは、戦争である。 」         「戦争が長びくうちには、 はじめ戦争をやり出したときの名分なんかどこかに消えてしまい、 戦争がすんだころには、勝ったほうも負けたほうも、 なんの目的でこんな大騒ぎをしたのかわからぬことさえある。 そうして、生き残った人びとはむごたらしい戦場の跡を眺め、 口をそろえて、――戦争はもうこりごりだ。 これっきり戦争を永久にやめることにしよう!      そう叫んでおきながら、何年かたつうちに、いつしか心が変わり、 なんとなくもやもやと戦争がしたくな ってくるのである。どうして人間は、 こうも愚かなものであろうか?」     「私たち日本国民は憲法において戦争をしないことに決めた。 …わが子よ!             憲法で決めるだけなら、どんなことでも決められる。 憲法はその条文どおり実行しなければならぬから、 日本人としてなかなか難しいところがあるのだ。 どんなに難しくても、これは善い憲法だから、実行せねばならぬ。 自分が実行するだけでなく、 これを破ろうとする力を防がねばならぬ。これこそ、 戦争の惨禍に目覚めたほんとうの日本人の声なのだよ。」            「しかし理屈はなんとでもつき、 世論はどちらへでもなびくものである。      日本をめぐる国際情勢次第では、日本人の中から憲法を改めて、 戦争放棄の条項を削れ、と叫ぶ声が出ないとも限らない。 そしてその叫びがいかにも、もっともらしい理屈をつけて、 世論を日本再武装に引きつけるかもしれない。」               「もしも日本が再武装するような事態になったら、 そのときこそ…誠一 ( まこと ) よ、カヤノ(茅乃

川崎市、ヘイトデモ主導者に公園使用を認めず

■<★ニュース・フラッシュ!★>川崎市、ヘイトデモ主導者に公園使用を認めず ヘイト対策法成立後、初の法適用~川崎市、ヘイトスピーチデモ主導者に公園使用を認めず  昨日5月31日、川崎市は、市の管理する2つの公園の使用を求めていた集会主催者に対し、公園の使用を「不許可」としました。  集会は、ヘイトデモ団体が6月5日に行うと予告しているものであると見られ、川崎市議会が5月30日に市長へ提出した公園使用の不許可を求める要望書には、市議会議員60人全員が賛同していました。  昨日の神奈川新聞によると、主催者はこれまでにも在日コリアンの殺害をあおるヘイトスピーチ(差別扇動表現)を繰り返してきた男で、市は今回申請された集会についても、ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いとみたうえで判断したとのことです。 ※ヘイトデモ公園利用は「不許可」 川崎市が主催者に通知(神奈川新聞、2016年5月31日) http://www.kanaloco.jp/article/175995  5月24日に衆議院でヘイトスピーチ対策法が可決・成立して以来、ヘイトデモを行うための公園使用を不許可としたのは、今回の川崎市が初めてです。ヘイトスピーチ対策法がまだ現段階では施行前である点にかんがみても、いかにヘイトスピーチが、法的根拠さえあれば迅速に規制されうるものであるかが、うかがい知れると思います。  同様に、愛知県の大村秀章知事も、5月30日の定例記者会見で、ヘイトデモ団体について「人権侵害で、表現の自由(で許される範囲)を超えており、踏み込んだ対応が必要だ」と指摘し、県が管理する公園などの施設でヘイトスピーチをさせない考えを示しました。  IWJはこれまでヘイトデモに関する取材を継続して行なってきました。「朝鮮人は射殺しろ!」などと叫び、他人の人権を侵害するヘイトスピーチは、決して憲法で保障された「表現の自由」に値するものではありません。IWJの取材を見てきた皆さんは、すでにご理解いただけているかと思われます。 ※2016/05/24 「ヘイトスピーチ解消法成立にあたって」参議院法務委員会有志による記者会見 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/303649 ※「ヘイトスピーチは確実に人を壊し、社会を壊す。戦争と同じ」 100