昨年12月23日。この日、 天皇陛下 は80歳の傘寿を迎え、天皇の「お言葉」がマスコミに配布された。「お言葉」は同日各メディアによっていっせいに報じられたが、 重要部分を “意図的に”カット したメディアがあった。 それが 公共放送局の NHK だ。 「重要部分とは、ずばり 天皇陛下 が語った護憲とも取れる部分です。 朝日新聞 や毎日新聞はこの部分をしっかりと掲載しましたが、 読売新聞 はかなり意図的に端折って要約していた。問題は NHK が、 この部分の一切を削除していた ことです」(大手紙宮内庁記者) 削除された天皇の「お言葉」の該当部分は以下のようなくだりだ。 「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」 現状の平和と民主主義、そして憲法を「守るべき大切なもの」とした護憲発言であり、さらには憲法を作った主語を「日本」とし「知日派の米国人の協力も忘れてはならない」と加えるなど、「連合国からの押しつけ憲法論」への反論ともとれる発言だった。しかし、 NHK は この部分だけをカット し、 一切報じることはなかった のだ。 「公共放送としてのNHKの見識を疑いますが、今回のNHKの報道姿勢は、 安倍晋三 政権が目指す改憲と密接な関係があると目されています。NHKは、 特定秘密保護法 にしても政権寄りの報道を繰り返し、また、靖国参拝にしてもその録画映像を延々と流し、批評もしなかった。いまや NHKは 安倍政権 の“お抱えメディア” と化す危険性さえある」 こう指摘するのは、メディア事情に詳しい評論家だ。 安倍首相 のお友達人事は有名だが、これがNHKにも及んでいることは周知の通り。NHKの最高意思決定機関である 経営 委員にしても保守色の強いお友達を次々登用し、なかでも作家の 百田尚樹 の起用が話題になったばかり。また今年1月に新会長に就任した籾井勝人についても、百田以上に「安倍カラーの強いお友達人事の賜物」と見られてい るのだ。 ...
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