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憲法学の基本を勉強せずに改憲論を振りかざす「安倍首相」

いつも貴重な情報を流してくれる知人がいる。
今回も自民党の憲法改悪案について鋭い指摘をしているので以下紹介したい。
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想田和弘さんの論考の一端


「96条からの改憲」に抗する”の特集『世界』6月号は幾人かの論考を掲載。
その想田和弘氏は「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」を寄せている。

 3月24日参議院予算委員会で小西議員(民主)の質問に安倍首相が
『私は…憲法学の…学生であったこともない』等と答弁した事件を紹介。

 このやりとりは小さなニュースになったので、皆さんもご存じかもしれません。
首相が「クイズのような質問は生産的ではない」などと逆襲したことに乗じて、
むしろ小西議員を皮肉る論調の新聞報道もみられました。

 しかし、小西議員が行った質問は、単なる雑学的知識の有無を試す「クイズ」ではありません。

  小西議員が述べているように、芦部信喜という憲法学者は、日本国憲法の
通説的解釈を形作る上で極めて重要な仕事をした学者で、憲法学界の大家です。
日本映画でいえば、黒澤明や小津安二郎に当たると言えば分かり易いでしょうか。
憲法について論じる際には頻繁に言及される人なので、専門家でない僕ですら
名前くらいは知っています。

  「公共の福祉」という言葉を、…「人権相互の矛盾・衝突を調整するための
実質的公平の原理」であると提唱したのは芦部氏の師匠の宮澤俊義氏ですし、
それを「一元的内在制約説」と名付けたのは当の芦部氏です。

  …その言葉を大胆にも「公益及び公の秩序」と書き換えようと企てるならば、
絶対に避けては通れない…名前なのです。
  ところが、(自民党改憲案を出した「憲法改正推進本部」の最高顧問として名を
連ねている)安倍氏が、芦部氏の存在を知らなかった。

  小西議員とのやりとりは(改憲へ向けた最高責任者と言ってもよい立場の)
安倍氏が、憲法学の基本を勉強せずに改憲論を振りかざし、
一連の悪辣な書き換えを企てていることを白日の下に晒し…た「事件」として、
驚きとともに記憶されるべきなのです。

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