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長女に伝えたいこと「文化村ミュージアム: レオ・レオニ展」

久しぶりの美術展。4年前亡くなったカミさんが大好きで、二人の娘によく語り
聞かせていた絵本作家=レオ・レオニ展だ。

絵本には何の見識もなかった当時、私が娘たちに買ってきた唯一の絵本。
それが「フレデリック」だった。展覧会を見ながら、確か「このネズミたちの
物語だったなぁ」という一連の絵を見つけた。蓄えた食べ物を食べ尽くした
ネズミたちの中に、一匹だけ変わったネズミがいた。みんながせっせと
食べ物を集めていたときに彼だけは別行動。答えがふるっている!

「色を集めてるんだ。冬は灰色だからね。」
「おひさまの光を集めてるんだ。」
「言葉を集めてるんだ。話のたねがつきてしまうから。」

皆が右の道を行くなら、私は左の道を行ってみよう。若い頃からそんな気質
があった私にはそれを見てすごく共感したんだと思う。

話は突然缶バッジのことに飛ぶ。
7月31日、32年振りの来日公演だというクインシー・ジョーンズ Quincy Jones の
チケットを買ってあったので、午前中に観たかった「レオ・レオニ展」に行くことにした。

いつも夕食は数分離れたところに住む娘たちが呼んでくれる。
その日食べながら出た話が「缶バッジ」だ。どうやら「レオ・レオニ展」に行って
最後に「レオ・レオニ」グッズを沢山買ってきたらしい。長女は小さい頃から
美術のセンスがあり、表紙に彼女のイラストが使われたクラスの文集(?)を
見た記憶がある。

買い物の中にあるはずの「缶バッジ」がなぜか行方不明。よほど気に入った
デザインだったらしい。3つ一組になった商品で、バラ売り缶バッジもあったが
それらとは違うデザインだという。

明日行くつもりだと私が言うと、朝一番で行き、観る前にまず購入してきてほしい
ということになった。グッズも売れに売れていて、長い行列になっているという。
グッズ売り場のレイアウト、買って来てほしい「缶バッジ」の絵柄を小さなメモ用紙に
描いてもらい預かった。



混んでいるという娘たちの話だったので、開場に間に合うように行くつもりだったが
緊急な仕事を抱えていて、そちらを片付けて急いだが結局 12:00 に入場ということに。
チケット購入からしてかなり並んでいる。

もう一つ娘の指示に従わなかったことがある。入場してグッズ売場に向かわずに
展示を観て回ってしまったのだ! やばいよ、これ。

グッズ売場のレイアウトを描いたメモを手に商品を探して回った。すごい人混み!
商品は小さなカゴに入っていて直ぐに見つかった。若い女性が二人、缶バッジの
絵柄を選んでいた。そのカゴの中にも周りにもそれらしい「3つ組み缶バッジ」は
見つからない。売り切れ? 出遅れか?

「缶バッジ」イラストのメモを手にしていたので一緒に見ていた若い女性が話しかけてきた。
「頼まれものですか?」「それ、売り切れちゃったみたいですね」「これも似た絵柄で
かわいいですよ」。結局残っているバラ売り「缶バッジ」をすべてひっくり返してくれて、
「全部で3種類しか残っていませんね」と集めてくれた。もうこれ買って行って
謝るしかなさそうだ!



夕食時、その「缶バッジ」3個を長女に手渡した途端、「これじゃないよ!」
がっかりした一声。やっぱりダメかー。この日、奇しくも彼女の誕生日だった。

後日談がある。と言っても翌日の話。

もう一つ渋谷で観たい写真展があったので今朝一番、「レオ・レオニ展」に立ち寄る
ことにした。出口に立っていた係の女性に「買いそびれたグッズがある」と説明したところ、
売り場責任者に連絡してくれ呼び出してくれた。もう一度入場券を買わないとだめかなと
覚悟して来たので助かった。

3つセットの「缶バッチ」だと説明したところ、「完売していて昨日の朝からすでに
ない状態でした。今はもう一種類のデザインしかが残っていない。3つセットは
バラ売り品とはデザインが異なります。申し訳ありません」という説明。

完売は祝うべきことで、「申し訳ない」ということはないんだけど…

私としては長女の厳しい指示に従えなかった、「もしかしたら買えたのに」という
後ろめたい後悔を抱え込まずに済んだほっとする責任者の説明だった。



長女にはこう伝えよう。

そういうことなので、買ったのに「行方不明」というのは何か特別な
意味がある Leo Lionni のしわざとしか思えない。

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