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15%の市民が動けば政治や社会を変えられる!!

戦争と格差のない未来を!野党統一候補の実現を!


このスローガンで「18区市民の会」が立ち上がった。

1月24日、この「18区市民の会設立記念大集会」で記念講演に立った伊藤千尋さん=朝日新聞記者として欧米や中南米の政治や市民運動を取材した国際ジャーナリスト。

『元気な市民運動が未来を拓く』というタイトルで記念講演を行っています。


以下、この「18区市民の会」ホームページからの抜粋です。


伊藤千尋さん記念講演(要旨)

15%の市民が動けば政治や社会を変えられる

 きょう1月24日は71年前に幣原喜重郎首相が米占領軍のマッカーサー元帥に会い、新たな憲法に軍隊の廃止を明記したい、と申し入れた記念すべ
き日です。腰を抜かすほど驚いたと、マッカーサーは日記に書いています。憲法はアメリカから押し付けられたものではなく、日本人が自らつくったものなのです。音楽家のベアテ・シロタ・ゴードンさんは、戦前の日本の男性上位の社会を見た経験から、戦後になって22歳で占領軍民政局に所属し、「法の下での平等」を憲法に盛り込むことを提案し、それが14条になりました。彼女は「日本の憲法はアメリカのそれより優れている」と言い、晩年に娘からお金を渡されてもの日本の憲法を守るために使いなさいと断ったそうです。

憲法9条の理念は世界にも広がっている

 国内には憲法記念碑が7か所あります。沖縄読谷村役場前にある記念碑は、村長と市議会がこぞって、沖縄戦から50年目の節目に、「二度と戦争はしない」と決意して建てたものです。
被爆時の産婆さんのことを記した『生ましめんかな』で知られる広島の詩人・栗原貞子の墓の隣には「護憲」と刻まれた碑があり、裏には憲法9条の全文が書かれています。護憲の文字は深さ10センチにも掘られており、憲法9条を守るという故人の強い意志が刻まれています。
 アフリカ大陸北西沿岸のカナリア諸島テルデ市の広場にも、日本の憲法9条の碑があります。碑がある広場は「ヒロシマ・ナガサキ広場」と名前があり、中央に畳一枚分の白いタイルに、青色の文字でスペイン語に訳された憲法9条が書かれています。当市のサンチアゴ市長が平和を考える広場にするために、広場に第2次大戦で最も悲惨な目にあった広島・長崎の名前をつけ、その中央に、平和を希求する象徴として憲法9条の銘文を記したのです。
そのことを私の講演で聞いた女性が2か月後に現地を訪れ、その後日本語教師としてトルコに赴任した際に話したところ、トルコにも憲法9条の碑ができたそうです。
 中米のコスタリカは、日本に続いて平和憲法を制定した国です。コスタリカには今日まで軍隊は存在しません。「最大の防衛は軍隊を持たないことだ」という意思が貫かれています。そのコスタリカ議会で2年前、ある決議が全会一致で採択されました。「日本とコスタリカは平和憲法を守ってきた。両国民にノーベル平和賞を贈ることを選考委員会に提案する」というものでした。
また、国連人権委員会で昨年12月、世界の国々は武力による威嚇や行使をしてはならないとする「平和への権利宣言」が承認されました。

内戦の南スーダンに兵士派遣の先進国は
イギリスと日本だけ

 しかし、日本政府は戦争への道を進めています。南スーダンへの自衛隊派遣に「駆けつけ警護」の役割が付与されました。稲田防衛相はたった7時間視察しただけで内戦状態ではないと決めつけましたが、現地の状況は明らかに内戦状態です。
現地には14か国8千人の部隊が派遣されていますが、先進国ではイギリスと日本だけです。イギリスが派遣しているのは旧宗主国だからであり、アメリカもドイツも軍隊を出していません。国際貢献の名で初めて海外に自衛隊を送ったのは1992年のカンボジア内戦ですが、いま無理やり派遣しているのは憲法9条を変え、戦争ができる国にしようとしているからです。
 コスタリカのアリアス大統領は3か国の内戦をやめさせノーベル平和賞を受賞しましたが、日本のカンボジア派兵の際、「軍服を着ていればきらわれる。医者を派遣すれば喜ばれる。そして日本の米作りの技術を教えて国を豊かにし、次に国を担う世代を育てる教育者を送るべきだ。それが平和憲法を持つ日本の国際貢献だ」と述べています。(註~写真のアリアス氏は大統領時代の1987年にノーベル平和賞受賞)
 韓国ではいま、朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を求める運動がスマホと、「下野」という歌を武器に盛り上がっています。朴大統領は「選挙の女神」と言われるほど選挙に強かった。それがいま退陣の危機にさらされています。私たちも大きなうねりを作れば、強固だと言われる政権を倒すことができます。
 チリでは軍事政権に反対する市民が粘り強く支持者を集め、1998年の国民投票で民主化を実現しました。民主化運動では少人数のグループが戸別訪問し、集会ではみんながベートーベンの第九の「歓喜の歌」を口ずさんでいました。かつての日本の学生運動や市民運動にも歌がありましたが、今はありませんね。
今回の米大統領選挙で注目したのは、最初泡まつ候補と言われていた民主党のサンダースさんが、クリントン候補と拮抗するまで支持者を集めたことでした。これも粘り強い支持者集めの成果です。

市民が野党共闘で動けば選挙で勝てる
~参院選や新潟知事選で実証

昨年の参議院選挙は決して負けではありません。1人区32のうち野党は11議席を獲りました。東北では6議席を確保し圧勝しました。選挙の度に自民党の得票率は低下しています。
新潟知事選では自民が6連敗しています。昨年の選挙では米山隆一さんが無党派の70%、自民支持層の30%を獲り当選しました。新潟では野党が結束して選挙に取り組んできています。原発や新潟水俣病で考えが違うのは当然であるが、いがみ合いや足の引っ張り合いをやめ、苦しんでいる人のことを考えるという原点に立ち返って投票しましょう、という地道な訴えが勝利に結びついてきたのです。
 15%の原則というものがあります。ベルリンの壁の崩壊は、当時の東ドイツ・ライプチヒ市民の15%が集会やデモに結集したことがきっかけでした。アメリカではトランプ大統領が誕生しました。私は現地で調査しましたが、これも15%近い支持者が星条旗や、トランプを大統領にというメッセージボードを掲げて活動した結果です。
つまり15%の市民が動けば市民の大多数が動いているように見えるのです。それで政治や社会を変えられることを、皆さんにも知っていただきたい。
 トランプ大統領は「アメリカ第一主義」を標榜していますが、それは「アメリカは超大国であることをやめた」という宣言です。「ほかの国の面倒などみてはいられない」、そういうことであり、彼の登場をすべて否定的に考えるべきではないと考えます。

若者を戦場に送らず、
民主主義の担い手として力を発揮させよう

 いま最も大事なことは、野党統一候補を実現させ衆議院選挙に勝つことです。若者も変わってきています。高校3年生を対象に話をしたことがあります。選挙権が18歳以上になり、その話をして感想文をもらいました。そこには「有権者として自分の意見や意思を示せる投票をしたい」と記されていました。
そういう若者を兵士として海外に送ってはならない、民主主義を発展させるために、若者が力を発揮できるような社会にしなければなりません。ご静聴ありがとうございました。

                        (報告=天野捷一:18区市民の会、高津区在住)

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