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安倍総理、「侵略」踏襲しない方向で調整!?

IWJ 今日(2015/08/08)の日刊ガイドの書き出しです。
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「侵略」踏襲しない方向で調整 首相談話(日テレNEWS24【URL】http://bit.ly/1W5c7sx)

 安倍総理は、繰り返し「村山談話と小泉談話を全体として引き継ぐ」と述べていますが、もし仮に「侵略」という表現を避けるようなことがあれば、それは過去の談話を事実上否定することになるばかりか、日本国憲法に代表される「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」という戦後日本の理念を軽んじていくことにつながりかねません。

 侵略戦争は、他国の国民の基本的人権の否定であり、その侵略戦争の手先として日本国民を駆り出す、自国民の基本的人権の否定に他なりません。誰が、好き好んで人殺しや略奪の先兵になりたいと思うでしょうか。

基本的人権の否定なくして、侵略戦争はできません。そのことを端的に示したのが、SEALDsに対して「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考えに基づく」などと誹謗中傷のツイートをした自民党の武藤貴也議員です。武藤議員は自身のブログに「基本的人権こそが日本精神を破壊した主犯」などと書き込んでいました。実に分かりやすい発言です。岩上さんが先般、指摘していましたが、この「日本精神」なるフレーズは、まさに侵略戦争が本格化した満州事変以降、官民あげて流行らせた言葉だそうです。「日本精神」と侵略戦争と基本的人権の否定は切っても切り離せないものなのです。

 ちなみに、安倍総理が尊敬する祖父の岸信介元総理は、下記の動画にあるように、過去の日本の戦争について「侵略だった」と明言しています。中曽根康弘元総理も、昨日、読売新聞への寄稿の中で、「侵略戦争だった」と明記しています。戦争を経験した世代にとっては、「日本が侵略戦争を行った」というのは、当然の共通認識なのです。

岸信介元総理へのインタビュー動画(【URL】https://t.co/FDkkFd7YsU)

対アジア「侵略だった」…中曽根元首相が寄稿(読売新聞、8月7日【URL】http://bit.ly/1MQkgyb)

 自民党の頂点に立つ安倍総理以下、30代の若手のペーペー議員である武藤議員に至るまで、否定したくてたまらない、侵略戦争という歴史的事実、そして基本的人権と平和主義を謳った日本国憲法。

この戦争法案は違憲法案です。閣議決定で憲法解釈が変えられるはずは本来ありません。いうなれば、今の安倍政権のやっていることは、米国という外国からの要請によって憲法をねじ曲げるクーデターを起こしているわけです。米国の諜報機関に政府も銀行も商社も盗聴されていても、政府が何ひとつ抗議の声もあげようとしないのは、現政権が事実上、米国の傀儡政権だからだとしか、いいようがありません。

この違憲立法の先に待ち受けるのは、あの自民党憲法改正草案です。この改憲案にもとづいて基本的人権が守られることは決してありません。

 自民党改憲草案の驚くべき中身に関しては、岩上さんと澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士が、計12回にわたり日本国憲法と逐条で比較する鼎談を実施し、『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』という書籍のかたちにまとめて刊行しました。改憲「前夜」の今、改めてこの本を手にとっていただきたいと思います。

※【特集ページ】前夜 ~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く
http://bit.ly/1jWh3da

■過去に「核武装」発言をしていた武藤貴也議員~IWJでは核と戦争をテーマに連日再配信を行います!

 まもなく、長崎に原爆が投下された8月9日、そして終戦の日である8月15日がやってきます。安倍総理は広島市で行われた平和記念式典で、「非核三原則」に触れませんでした。中谷元(げん)防衛相が国会で、安全保障関連法案について、核弾頭の輸送も「法文上は排除されない」と答弁した直後だっただけに、安倍政権による戦争と核兵器に対する認識が如実に表れたと言うことができるのではないでしょうか。

・【安保法制国会ハイライト】また解釈変更!? 「米軍のニーズ」によって禁止されていた弾薬提供が解禁へ! 中谷防衛相「弾薬は消耗品だから武器ではない」!?憲法違反の「武力行使との一体化」定義が曖昧に
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/255863

 さて、核兵器といえば、ここでも先述した武藤貴也議員に言及しないわけにはいきません。武藤議員は2014年4月22日、『月刊日本』のインタビューに答え、「わが国は核武装するしかない」と公言しているのです。以下、記事の中から武藤議員の発言を抜粋して紹介します。

 「日本は自力で国を守れるように自主核武装を急ぐべきなのです。日本の核武装反対論は、論理ではなく感情的なものです。かつて広島、長崎に原爆を落とされた国として核兵器を許さないという心情的レベルで反核運動が展開されてきたのです。しかし、中国の台頭、アメリカの衰退という国際情勢の変化に対応して、いまこそ日本の核武装について、政治家が冷静な議論を開始する必要があると思っています。
 
核武装のコストについては様々な試算がありますが、私は安上がりな兵器だと考えています。何より、核の抑止力によって戦争を抑止することができます。核武装国家同士は戦争できないからです」

※武藤貴也「わが国は核武装するしかない」(月刊日本、2014年4月22日【URL】http://bit.ly/1eNxlcy)

「核武装すればこそ、戦争が防げる」というのは、あの田母神俊雄氏の核武装論と同じ理屈です。しかし、米ソ間で核兵器による相互確証破壊が機能していたのは冷戦下での話。ともに第二次大戦の戦勝国であったからこそ、政治的にも可能だったのです。

日本は、今なお米軍が駐留し、事実上の「占領」が継続しています。米国が、在日米軍の存在を、日本が軍事的に自立できないように押え込むための「ビンのふた」と自認しているのは公然たる事実です。そんな状態で核を保有することは、米国の「許可」なくできることではなく、それはまた、米国の都合によって日本が利用されることを意味します。このことを、孫崎享さんは、岩上さんのインタビューに応えて、数年前からずっと指摘していました。

※孫崎享さんと岩上さんの対談DVD「Deep Night」は、以下のURLよりお求めいただけます!

DVD 孫崎享×岩上安身 Deep Night 第二夜 https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=22

現代の核兵器は、どれくらいの破壊力があるか。史上最大の破壊力を持つツィーリ型は、広島型の3千300倍以上の破壊力を持つそうです。日本は2発で壊滅します。

戦後70年で核兵器はここまで威力を増している(インフォグラフィック)
http://huff.to/1IREyom

※昨夜の岩上さんのツイートはこちら↓
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/629684947503091712
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/629685716532891648

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