スキップしてメイン コンテンツに移動

今どうしても観ておきたい舞台!!

敬愛する劇作家=井上ひさし作品

〈太鼓たたいて笛ふいて〉

主演を演じるのは優れた女優=大竹しのぶ

この舞台に臨む彼女の言葉。これは観ないわけにはいかないと思う。


2002年に初めて演じてから4度目の公演となる。「前よりも深く、
真実味を感じている。いまの日本の状況をみて井上さんが書いたのかな、
と思うほどです」。5日目の公演を終えた20日、大竹さんはかみしめるように話した。

 劇の中で「物語を決めるのは この国のお偉方」と歌い、芙美子は従軍記者になる。
しかし、日本軍による侵略を目の当たりにし、ウソの物語に踊らされたことに気づく。
「無知な人間の妄想ほどおそろしいものはないわ」

 「なぜこの法律が必要なのか、詳しい説明もないまま乱暴なやり方で通ってしまった。
そのことに恐ろしさを感じる。上のほうの、物語をつくる人たちによって決められ、
違う方向に動かされていくような。演じながら、太平洋戦争を始める前ももしかしたら
こんなんだったのかなって思いました」

「3・11が起きるずっと前から、原発は本当に怖くないのかと
(歌手の)忌野清志郎さんらがずっと訴えていた。でも、私たちはそれに
耳を貸そうともしなかった部分もあった。
そして、福島が住民が帰れない状況になってしまった」。今、ひとごとではなくて、
一人ひとりが自分のこととして日本を考えていかないと、と何度も繰り返した。

〈太鼓たたいて笛ふいて〉 「放浪記」などで知られる作家・林芙美子の後半生を、
井上ひさしが音楽評伝劇に仕立てた作品。従軍記者として戦争賛美に筆をふるった
芙美子は、南方戦線の視察で戦の欺瞞(ぎまん)に気づき、戦後は反戦文学の
担い手として、普通の日本人の生活や悲しみを書き続けた。
東京では紀伊国屋サザンシアターで2月9日まで(火曜は除く)。
その後は2月15・16日に名古屋、22・23日に大阪、26日に鹿児島、
3月1日に福岡。問い合わせはこまつ座(03・3862・5941)。

コメント